蔵寶楼の立地については以前記したと思うが、明朝の古式庭園を模した豫園商場の街並みの一画にあり、方浜中路に面した観光地の入り口に立地する。
上海万博の前後にかなりの周辺開発や道路の拡張があったが、今でも老街と呼ばれる1930年代の街並みは壊され続け、庶民生活はマンション入居などの富裕層の居住地に変わりつつある。
その新しいマンション群の中にも、新しい古玩城(骨董品を扱う店ばかりのビル)があり、上海市内の他の地域にある古玩城にも引けを取らない繁盛を見せている。
また、蔵寶楼に隣接する建物は一階だけの迷路のような建物だが、奥に入って行くと、懐古感あふれる骨董街で、豫園庭園の付近と合わせていくつかの同様の古い骨董街がある。
東大路や南京西路の骨董街と比べると規模は小さいが、土産物に交じりはするが、よく観るとかなり真面目な、本物の骨董品も置かれている。とは言え、中国の偽物骨董を見慣れていない方はやはり用心された方がいい。そういう意味でも蔵寶楼の四階フリマの偉大さは見逃せないと思う。
これから後、いつまでこの建物が維持され、土日の市が継続されていくか知れないが、上海に行かれることのある骨董マニアの方は是非寄られたい。そして、恐れることなく全館踏破されたいと願う。
連載「骨董品購入・上海」は、次回から局面を変え、市内の主だった観光地でのエピソード等を紹介する予定であるが、渡中の頻度が落ちた最近、しばらく先になろうと思う。悪しからずご了承いただきたい。