『中国上海』骨董品購入・仕入れ・交渉術・場所・時期時間帯その他⑤

今回以降は、常設の骨董品店ではなく、たとえば毎週何曜日に一回開催されるというような定期開催の市。それも開始時刻と終了時刻がきちんと決まっているようなフリーマーケット然とした多くの業者が集まる市について大雑把、簡単に述べる。そしてその後、お勧めの骨董街の紹介である。

上海では、中国で北京オリンピックが開催される頃までは市内のあちこちの広場で大掛かりな市が何箇所かあった。

勿論今でもいくつかはあるのだろうが、当時の南京西路には数百、いや、千に迫る業者が集まり、色々なものが並べられる巨大な市があった。土日、ここはかなりの骨董業者たちが出店していたが今は開催されていない。骨董市自体と言うより、高層ビル建立の為場所自体がなくなった様でもある。巷では、当時オリンピック開催で外国人が大挙押しかけてくるのに、地面に訳の分からない文物を並べて商いをする業者がたむろしている光景が、国として「格好悪い」ということで、強権を持って政府が閉鎖を命じたとも言われている。中国では満更噂や嘘ではないと感じている。

筆者は当時、現地のニュースで商品購入のやり取りをテレビカメラで撮影され取材を受けたことがあったが、おそらく中国国内に「オリンピックを前に来訪する日本人骨董マニア」とでも放映されたのであろう。数字程度しか言えない片言の中国語で、かなり間抜けな観光客として紹介され笑いのネタにされたと思われる。それもその筈、今から思えばつまらない商品を全く高く売りつけられたのをはっきり覚えている。

今はその商人たちは他地で開催される市に分散し出店しているという。その為、南京西路の大フリマが消滅した後、かなり色々新しく見つけた市を巡った。しかし行き場を失った大半の業者は、市内いたるところの路上にて勝手気ままに商品を並べだしたようである。と言っても、どの路端もその地域を仕切っている元締めが居り、いくらかの場所代を徴収しているようである。

上海で日本人観光客が多く訪れる骨董街は何箇所かあるが、有名なのは「東大路」と上海老街と俗に言われる「豫園」付近の骨董街、中でも方浜中路に面する骨董ビル「蔵宝楼」であろう。最近は「田子房」周辺も骨董商が増えてきたようである。

その他、市中には「古玩場」と名の付く骨董商ばかりが入居している骨董ビルなるものが市内いたる所にあり、面白い物を見るだけならどこでも楽しめる。

しかし、真剣に安く仕入れようと思えば、中国人骨董商も通う所に行かなければ行けない。中国の他の都市同様、上海にも色々な街があり、観光地、オフィス街、衣類の問屋街、機械器具の問屋街、電子機器の問屋街というようにそれぞれ特徴があるものだ。ちょうど大阪市内の問屋街の配置にも似ている。

そういう観点からお勧めは豫園付近である。観光客目当てに高い値をつける東大路には、ただの土産物に近い模造品ばかり売る店が多い。本家の骨董品があっても、日本からの団体客が多いこの地は絶対と言っていいほど吹っかけられるので避けたほうがいい。中には古民具の古いのを安値で販売している店もあるが、それでも納得のいく値まで交渉するのには骨が折れ時間の無駄である。年に何回か通いつめれば人間関係もでき、それなりに楽にはなるが、いつまでも「売ってやる。」という態度に腹が立つナンバーワンの地ではあるだろう。

田古房も、最近できた観光地に寄ってきた骨董商の多い街で、おしゃれな古い物は多いが、相場より5倍10倍とかなり高い。欧米人観光客が多いからであろう。豫園周辺でも隣接したところは古そうに見せた骨董もどきが殆どで、手を出すのはやめたほうがいい。常設の豫園付近で店舗を構える店も売り手のペースである。

先に述べた豫園付近の一番のお勧めは蔵宝楼。かなり面白い5階建てのビルで、次回はこのビルの紹介をしよう。時期をみて筆者の手の内をすべて紹介していくので、ブログ連載をご期待いただきたい。

⑥に続く。

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