『新大阪東口フリマ』掘り出し物買い方情報・出店者情報

以前は古物業者や手作りグッズの業者、それに掘り出し物を発見しようとする骨董マニア等で歩道が人で溢れた時代はすでに去り、それでも毎週土曜日、出張帰りのサラリーマンや周辺の地元マニア達で夕刻までの露天は賑わっている。

ここの市の評判は、売り手、買い手とも『安い』が評判である。前評判どおり確かに安い。そして、驚くほどいろいろな物が並んでいる。

今回は、此処で買い手、売り手の双方を経験した身として、その掘り出し物探しの実態と極意の一片を紹介しよう。

今の時期は冬場でこの時季の夜明けは遅い。その上曇天でもあろうものなら6時の時報を聴いてもまだ暗い。そして大阪とは言えども震えがとまらないほど寒い。

日が昇っても新幹線の高架の線路と駅前のビルとに囲まれ、商品を並べきるには暗すぎる。

しかし、である。出店業者は会場である歩道への入り口にある鎖が開けられる五時半頃から集まり始めるが、その頃には買い手も三々五々集まり始め、いくつかの集団を成している。

そして、車から商品を下ろす降ろし始めるや否や、手に手に懐中電灯まで持った者までが、降ろしたばかりで、まだ開梱もしていない箱に手をかける。「ちょっと待っててや、並べてからにしてくれる?!」と言わざるを得ない。

他者より先にいい物を見つけたい、という心情からであろうが、そんな連中は大抵が中国人のようだ。そして夜は早く朝はどうしても眠れない近所のおばあさん連中が混じっている。

商品の値段が他所の市並の値だと、必ず「新大阪は高いものは売れないで!ここは安いんやから・・」と丁寧に教えてくれる。出店者としてはそんな時「でも、うちは高いんや!」と言って遠ざける。にもかかわらず「物は良いから・・。」と言って買っていくところを見ると、客としての脅し文句のようなつもりなのだろう。

逆に筆者が買い手の立場の場合はやはり「同業者やさかいに、いくらにしてくれる?」と半ば脅す(?)。きちんとした値踏みができない出店者は大抵その一言で「いくらでもいい」と言う。そしてそれが縁で仲良くなる。

さて、骨董商中心の市なのでその程度の掛け合いは普通の事であるが、何よりもこの市の大きな特徴は「これ、商品?」と思うようなガラクタになぜか人が集まる。早朝暗いうちから人が集まるのは、本当はこれが目当てのようだ。

そのような業者が割りと多く、遅い業者にいたっては午前10時頃に商品を並べて、正午過ぎにはもう店じまいする業者も居る。彼らはディスプレイなど眼中にない。軽トラで来て、箱やコンテナや衣装ケース、極端な場合にはビニール袋に入れた商品を荷台から投げ下ろし、落ちたところが並べる場所という有様である。それはそれは豪快な販売手法である。

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大多数の買い手の目当ては、新大阪ではそれらの商品である事に気がついた。おそらく引越しや解体、遺品整理の物であろう。靴片方や雑巾といったようなごみに近い物まであるが、中には明治大正時代の教科書や江戸期の古文書、そして貴金属まで混じっている。工具、家具、衣装、バッグ類、古銭や切手や勲章の類まで揃っている。そんな業者が何人も出店しているここの市は、なるほど「安い」だろうし、掘り出し物を探す人が集まるのは当然であると思い知った。

早朝夜明け前から、次々と来場する業者に人だかりが移動し群れる。一箇所に約20分、群れた買い手たちが去った後には人影はまばらになる。それでも諦め切れない者や、たまたま通りがかった骨董マニア達が、売り手が軽トラに残った物を積み込むまでの間ひっきりなしに落穂ひろいをする。

ただ、それ以外の業者の商品は他の骨董市と変わらない立派な商品を並べている。そしてそのような売り手の商品は別の理由で相場よりも安く安心である。それは出店料の安さと集客数の小ささからであろう。そして売り手の出店数も多くなく、ジャンク品等を騙して売るような詐欺まがいの方法では次回には通用しないからである。まじめに骨董陶磁器や銅器、その他を売っている業者が何件もある。早朝からの掘り出し物探しの合間や終わった後、ゆっくりじっくり眺めてみれば、他所の市とは違う価格帯で購入できる事は間違いない。

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早朝から、ガラクタの箱の中を、毎週訪れる常連の人ごみに混じって掘り出し物を探す。これが新大阪東口フリマの掘り出し物探しの極意かもしれない。

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