『アオジソ(大葉)の害虫』栽培・駆除・予防・農薬

夏野菜というと、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、カボチャ等々を第一に連想する。他の植物の例に漏れず、野菜たちも夏場に成長、野菜たる収穫をさせてくれるものが多い。数々ある夏野菜の中でも、最も夏らしい香りを楽しませてくれる物の一つが「大葉」であろう。「青紫蘇」というのが一番ふさわしいと考えているがここでは「大葉」と統一して呼ぶことにする。

シソには「アカジソ」「アオジソ」「チリメンジソ」等のほかに「カタメンジソ」や「マダラジソ」のように表裏で色の違うものがある。栽培し、食した経験から言うと、「アオジソ」の香りが一番強いようで、色々な調理の仕方があるので使い勝手が良く、栽培するのであれば「チリメンアオジソ」若しくは「アオジソ」が最適だと思う。

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アオジソ

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チリメンアオジソ

さて、栽培してみると、春の終わりから初夏にかけて芽出し、夏場に急成長し、同時に収穫ができる。その間、仮に鉢植えであれば日照りが続いたり水不足になるとすぐに葉がしおれて来、水を求めてくる。潅水すればすぐに元に戻るので、対話をしているような気にもなる。素直な作物である。そして盛夏が過ぎれば花穂を持ち上げてきて、美しい刺身のつまが手に入る。秋には花弁の落ちた実を佃煮や七味の原料にも出来、晩秋にはその穂を振るだけで種子が落ち、発芽率も高いので翌年再び簡単に育てられる。手間のかからない栄養価満点の夏野菜である。

さて、育てているといくつかの種類の虫害に出会う。一つは茎の頂部が黒ずみ枯れたようになる。これはヨトウムシ等の幼虫が巣を作ることが原因。二つ目に糸を吐く幼虫により先端の柔らかいところに巣が出来、ちいさいゴマ粒のような虫糞がたまる。そして第三に葉のあちこちが食い荒らされる。その独特の香りから付く虫は多くはないが、一旦付いたそれらの害虫を放っておくと、あっという間に収穫出来ない状態になるのでこまめな観察が必要である。

害虫被害のうち一番顕著なのは見た目もわるいという、食い荒らされる被害であろうか。しばらくの間何年も、どんな虫が食い荒らしているのか見当が付かなかったが、飛蝗(バッタ)の害であった。ショウリョウバッタに似た小さなバッタ。オンブバッタである。彼らは飛翔しないので数匹いれば短時間にせっせと齧ってしまう。大葉は直接生で食すことも多いので、定められた農薬以外は家庭用の殺虫剤も使えない。バッタについては深夜昼間問わず、直接手で捕まえ処分するしかない。

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バッタによる食害

今年は庭にも沢山生えたし、鉢植えにも数多くの株を育てた。大量の大葉を育てた今年は、感覚的にはなんとなく被害が少ないのかと感じる。おそらく多すぎて害虫達も食べきれないのであろう。成長の方も順調なのでこのあたりの原因の相乗効果で木自体もすくすく育ち、食い荒らされる被害も少なく感じるのであろう。

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9月に入れば花茎が出てきて、あたらしい葉の収穫は徐々に見込めなくなる。今の内にバッタを撲滅し、この独特の清楚な香りを楽しんでおきたい。

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