深見の祇園祭●毎夏のイベント・今年はここだけ?桃もまだ。

この時期、個人的に外せないイベントがある。

最近隠れファンが増えてきた「深見の祇園祭」を鑑賞、その後、とある山上に移動し、深夜バーベキューを行い、翌朝当地特産の桃を購入するという、気の置けない仲間達の集いである。

「深見の祇園祭」。ネット等で検索すればすぐにヒットする。長野県下伊那郡阿南町深見(長野県下で町をチョウと発音する町はここだけ)にある深見池の周囲で打ち上げられる大音響の打ち上げ花火と、終了後、そこから数分集落を抜けて登った所にある鎮守の神社で火が点けられる仕掛け花火の二部構成が素晴らしい。毎年下伊那郡ではこの同じ日、隣接の飯田市や阿智村、下條村等で同日開催の花火を楽しめるが、今年はそれらは翌週に開催のようだ。今年の深見は人出が多いかもしれない。

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南信州に住みつき15年余。花火の産地として季節を問わず数多くの打ち上げ花火や仕掛け花火を堪能したが、なぜか不思議と深見の花火は住み始めた年から欠かさず観ている。自宅からは車で40分ほどかかるが、当初の数年は独りで、そしてその素晴らしさに友人たちを誘うようになり、この花火に惚れ込んだ友人たちが関東や関西から毎年当たり前のように来るようになり、いつしか近くに住んでいる筆者は何があってもその日は友人たちを迎えなくてはいけなくなった。

関東や関西にいる気心知れた元同僚や同級生達の集まりが、今ではボランティアで参加する遺骨収容の仲間たちも加わり、家族連れやその友人達も一緒に参加したり、最近では日本文化を理解できる、台湾、中国、ハンガリー、アメリカ等々の在日の友人達も参加し国際色豊か、老若男女を問わない集まりになってきた。

擂鉢状の池の周りで反響する花火の大音響。小さな会場ゆえ花火の火の粉さえ浴びようかという至近の迫力。境内中の蝉さえ火力に驚き逃げ惑う仕掛け花火。花火はどれをとっても迫力満点だ。終了時刻は年々早くなり、暴発のスリルと危険度もかなり低くなったが、深夜22時頃の終了時には心身ともに興奮で疲労感さえ感じるのは以前と同じである。

終了後そのまま一気に車で移動し、標高1千米の山の山頂に移動。ここは右手に天竜川に南アルプス、左手には中央アルプス南端、その向こうには噴火で茶色くなった御嶽山。眼前はるかには上伊那地方の景色まで遠望できる。当然着いた頃は深夜なので真っ暗ではあるが、毎年参加するメンバーたちの手際の良さで早速炭に火が点き、焚き火も熾る。

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(この写真のみ早春のもの)

参加者は遠くは千葉や茨城、西は奈良や兵庫、当然愛知の三河や尾張のメンバーもいるので、早朝からの長途走行に疲れている筈なのだが、皆いつも元気である。各自就寝は寝袋か車中。もう夜が明け出すまで飲んでいる者、天の川を眺めている者、撮影に余念がない者。色々だ。鹿や雉の鳴き声しか聴こえない空の開けた山上での涼しさは格別である。

朝、誰からともなく起き出し、火の始末や片づけを終えると当地特産の桃を購入に向かう。産地以外では考えられないような安価さで入手できるということで、100個単位で購入する者もいる。自家用で最盛期なら100個買っても1,500円程度ということもある。もちろん農産物ゆえ収穫適期は我々には合わせてくれない。おそらく今年は1週間程後に一気に収穫期を迎える予想なので間に合わないだろう。そういう意味では今年の集まりは少し寂しいものだ。各自道端の無人販売や農協直売所などで早稲品種を買ってもらおう。

桃を購入した後は解散。それぞれ再び前日に来た道を戻り帰路を急ぐ者、観光に周る者に別れ、その年のイベントは終了する。残って観光を目指す者たちの為に筆者は案内を始める。地元の者以外は知らぬ所、こんな機会でなければ訪問できないような場所、唯の観光地ではない所を選んで案内する。昨年は飯田線の日本有数の秘境駅。今年は日本のチベット「下栗の里」の予定だ。

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生まれも育ちも、現在の職もそれぞれ違う仲間たち。会うのは大抵の者は一年一度。それでも仕事や他の予定で参加できない年を除き、ほとんどのメンバーは再び再会できる。それぞれの家族や子達の成長振りも確認できる素晴らしい会合である。今年からは、さらにバーベキューの前に全員で、一年の間にあった不幸や感謝や喜びに対し、黙祷や祝いの言葉を贈ろうと考えている。

時代や世に感謝し、運に感謝し、健康で再会できたこと、そして日頃の激務の中参集してくれた仲間に感謝しつつ、末永く続けていきたい催しである。

ちなみに、今年は2017年。深見の祇園祭は7月22日(土)。深夜バーベキューはその夜から翌日朝までである。

感謝合掌

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