『玉突き事故遭遇』危機一髪・危機管理

先日8月14日、関西から上京の折、玉突き事故の被害に遭った。幸い大事は免れたが今でも腰と首の捻挫のため通院を余儀なくされている。全くのもらい事故とはいえ、気のついたことを以下に少し述べる。

この日は翌日に開催される全国戦没者追悼式の招待を受けていたため、お盆の最中の渋滞を見越し、関西から一般道路で東京都内を目指していた。中仙道、三周街道、そして、甲州街道と走り慣れた道ではあるが、山梨県甲府市を過ぎた辺りから八王子までの大渋滞が予想されていたため、13日の深夜中央道勝山ICから高速道路を使うことにした。勝山ICを入ってしばらく頑張って走り、あと八王子まで一走りという談合坂SAに入った。休憩はこまめに取って走ってきたが、何分徹夜状態の故、昼頃に予想されていた八王子までの区間を午前中に通り抜けようとそれまで車内で仮眠することにした。談合坂SAはかなり広く、駐車スペースも数ブロックに分かれてかなり多くの駐車ができるSAである。着いた時間帯には、同じ事を考えている人が多いのか、深夜という事も相まって7割方スペースが埋まっていた。

いつものことだが、まずトイレに近い駐車スペースを探す。次にそのスペースの中でも、後続で進入してくる車に突っ込まれないような場所を判断し、決して枠からはみ出さないよう、また、隣の車のドアが開けられた際に極力当てられないような車間を確保する。定石である。その日は斜め駐車スペースに大量の車が停まっていたので、より事故が起こりにくい縦列駐車帯に停めることにした。本線から進入してきて、かなり広い進入路であるから間違っても事故らないと判断した為だ。二台づつの縦列駐車枠が縦方向にいくつも並んでいるその最前列から二つ目の所である。最前列は本線に出てゆく車が、もしもハンドル操作を誤れば突っ込んでくる、と考えたのがその理由である。勿論枠の一番端に停めたのは言うまでもない。そして駐車後、トイレに行き、足を伸ばせる状態にして後部座席の荷物の上に寝た。

一時間も経った頃だろうか。突然の衝撃に目が覚めた。ドンッ!!という不気味な音と車体の前後の移動感。睡眠不足の寝入りばなでもあり、寝ぼけた頭には「事故」とは認識できたが外の様子もわからず、サイドミラーで後方を見る。中学生くらいの子供が何やら喚いている。うるさいなあ、安眠できないではないか!と、直前の衝撃音のことも忘れて運転席に移動。その時再度喚く声が聞こえたのでもう一度ミラーで右後方を見る。何やら様子がおかしい。母親と思われる女性が叫び、その中学生くらいの男の子は地面に横たわって痛みを訴えている。その瞬間目が覚め、頭が覚醒し、慌てて外に降りた。驚いたことにいつの間にやら自車のすぐ後に位置している乗用車の右前輪にその子の足が轢かれている。

最初は三四人で車を持ち上げた。無理なのは解っていても人間とはそのような行動をする。次々に集まってくる人達と今度は十人以上で持ち上げる。車は持ち上がってもタイヤまでは上らない。一人の男性が運転席に乗る。その時気がついたが、この車が当たってきた車であった。運転手が乗ると子供の足に余計に重みがのしかかる。なんていうことをするのかと思ったが、後で聞くとその乗り込んだ男性は男の子の父親で、少しバックすると足が抜けた。顔面からも出血しており、どうやら歯が折れたようだ。誰がどこに通報したか不明だが、一次救助の終わった今、次はきちんと110番と119番への通報である。

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110番はお決まりのように、急を要するにもかかわらずのんびりと次から次へと質問してくる。怪我の状況の確認や正確な場所の確認ならわかるが、その子の年齢や車のナンバー、そして救急車を呼んだかどうか・・、通話三分越える間にも同じ事を何度も聞く。同時に他の通報者もいるにもかかわらず、また、一々怪我をした少年にその場で歳を聞けというのには呆れを通り越して怒りさえ覚えた。極めつけは「あなたのお名前は?」。こちらの状況も訊かず、一方的な机上のマニュアル対応にはいつもの事ながら切れそうになった。現場にいる者が現場の状況を一番理解しているという事が解らない担当は110番の電話番にはして欲しくない。

落ち着いて良く見ると、後ろの車のその後ろにもう一台前部が大破した車が停まっている。その車がなぜかかなりのスピードで駐車直後の車に衝突し、その反動で玉突きのように約10メートル前にいた筆者の車に追突したのである。駐車直後だったので、子供が助手席から降りて降りた車の前を歩道の方に横切っている所を後から追突されたという状況。彼が少しでも歩くのが遅ければ筆者の車との間に全身が挟まれて命こそ危なかったであろう。足が轢かれただけだったのは、不幸中の幸いだったかもしれない。それにしてもご両親は鬼気迫る想いだったにちがいない。彼の早期の回復を祈る。

車二台は大破。自走できずレッカーで搬送。少年は救急車で八王子の総合病院に救急搬送。ご家族は救急車に同乗。最後まで残った筆者は、警察官に訊き、八王子の病院にて休日にもかかわらず受診。睡眠不足に輪をかけ、全ての処置が終わったのが15時頃。とんだもらい事故であった。

筆者にとってはただ寝ていただけのところに追突され、全く以って責任は無いとは言え、謙虚に反省すべき点はないか考えてみた。色々な事を想定しながら駐車スペースも熟慮し、何度も場所を換え、停め直して決定した。まさか、居眠り運転で幅20メートル位はある車線から、時速30~40キロで突っ込んでくる車があるとは考えていなかった。それでも事故は起こった。もう少し突っ込んでくるスピードが速ければ、就寝中とはいえ受傷度合いも高かったであろう。交通事故だけではなく、街中を歩いていても何が起こるかわからない世界中の昨今。何かが起こるのを避けようと思えば家の中にいるのが一番安全なはずだ。そういう意味では、やはりサンデードライバーが多用する休日の高速道路の使用は控えたいと考えた。一般道なら交差点や信号も多く歩行者の飛び出し等の危険もあるが、速度も出せずそれなりに皆が注意しながら気を張って走る。久々に高速道路を使ったが為に、色々面倒臭い事に巻き込まれたと考えることにした。

皆様、交通事故には充分すぎるくらいの配慮で身の安全を確保して下さい。不便さや痛みや、後に続く現場検証や保険請求手続きなどの面倒さもさることながら、痛い目を呉れ呉れもしませんように・・・。

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