■平成28年度・千鳥ヶ淵戦没者墓苑拝礼式■

暫くブログのアップが空いた。ライフワークにしている戦没者慰霊活動の一環である、千鳥ヶ淵戦没者墓苑にて開催された拝礼式に参列の為、上京。それに併せて関東地方での二週間に亘る諸事活動の為である。

例年五月に祭行される本拝礼式の案内は、厚生労働大臣名で五月中旬に案内状が自宅宛送付される。出席意向を書面にて返送し、普段は開放されている墓苑に当日現地で入場を許される。皇室代表初め内閣総理大臣以下関係省庁大臣、関係国駐日大使、衆参両院議長、各政党代表が拝礼、献花される。自身の出席は確か5度目であろうか。奇しくも本年は開催日前日、奉仕活動の一環としてボランティアで墓苑の清掃奉仕に当たったのは戦没者遺骨収容仲間が主催している団体の団員達であった。ご苦労様であった。墓苑に祭られている英霊の方々もさぞ喜んでおられた事であろう。

五月三十日。曇時々雨。次第は、まず、午前零時二十分までに参列者が式場に参集の上、所定の位置につく。報道陣含め、遺族会、協力者、政府関係者、各国代表等、参列資格によって全て席は決まっている。東南アジア、南太平洋、豪州、ロシア等の外地、そして沖縄や硫黄島での遺骨収集活動に前年度参加したボランティアの面々も一団と座している。北は北海道から南は沖縄まで全国から自費で参加した彼らの半数は約1時間半以上も前から着席しておりこの場での再会を懐かしんでいる。高齢者が多い。

午後零時三十分、開式直後、全員で国歌斉唱。英霊に届けと、皆声は大きい。次に厚生労働大臣が納骨を行う。末席後方に座していると納骨の様子は全く見えない。今年は生憎の天候で小雨が降り出した。テント席最後方に居ると折からの風で雨に濡れる。英霊の安堵の涙かと考える。

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全員再起立の後、今回皇室を代表して参列を賜った常陸宮同妃両殿下と共に参列者全員が拝礼を行う。拝礼式のクライマックスである。両殿下はそのまま御退席になるが、常陸宮殿下は今年は車椅子でのご参加である。英霊にも充分意は伝わった事であると感じた。

次いで献花である。献花の順は、内閣総理大臣、日本遺族会会長及び遺族代表9名、関係国駐日特命全権大使若しくは名誉領事として、オーストラリア連邦、インドネシア共和国、ミャンマー連邦、パラオ共和国、パプアニューギニア独立国、ロシア連邦、ソロモン諸島、アメリカ合衆国の面々。その後衆議院議長、参議院議長、衆議院厚生労働委員長、参議院厚生労働委員長、外務大臣、環境大臣、防衛大臣、国政政党代表、そして各関係団体代表として千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会会長。最後に厚生労働大臣が献花をして午後一時閉式である。政党代表者の中には代表どころか代理者さえも参列しないところもあるが、大東亜戦争において戦場となり、その国土、民衆に多大なる影響や辛酸を被った国の代表ですら参列いただき、献花いただくことには、毎年の事ながら頭の下がる想いである。戦後の平和国家日本が立派に認知されている表れだと感じた。

閉式後、参列者が中央奥の祭壇に向かい拝礼に移る。しばし長蛇の列になる。最前列に辿り着くと、祭壇には正しく先程各代表により献花された菊の花が並んでおり、各自仏式や神式等の思い思いの方法で英霊の眠るこの墓苑に拝礼をしている。両側には天皇皇后両陛下から下賜された一対の菊花の生け花が供えられている。七十年以上前に激戦の地で国家の繁栄と後世の我々の為に志半ばで斃れられ、過去一年間に世界の各地で新たに収容され本墓苑に今回納骨された英霊の御霊に思わず心の中で「お疲れ様でした。」と語りかけた。

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今後も、戦没者に対する慰霊事業には何らかのかたちで関っていこうと心新たにした。戦没者遺骨収容も身体が許す限り続けたく考えている。この安堵たる国に住む国民の一人として感謝の念を持ちつつ・・・。

合掌

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