■雨の骨董市■『第9回 日の丸マーケット』を振り返り。(大阪護国神社蚤の市フリマ住之江)

5月30日。第9回日の丸マーケットは生憎の雨であった。

それも、出店業者の区画割りや開催準備で訪れた前日には、若干の雲の合間に夕焼けや星空も仰げ、事前の気象台の短時間局地降雨予想が本当なのかと疑うくらいの好天で、自身に都合のよい期待に一晩中空を眺め続けた結果の降雨だった。

万が一の雨でも対応できるよう、現地には未明4時前より到着。都会の街中なので街頭明かりには困ることなく、すぐさま出店者受付用のテーブルとテントを張り、前日神社の周囲に掛けて回った「骨董市 明日開催」の札を「本日開催中」の札に換えて回った。

4時半、薄明かりの日の出時刻前、空は曇天。しかし今後襲ってくる雨という現実はこの時点でも現実のようには感じられなかった。それほど、涼しく、静かで、そして無風のすごしやすい時間帯であった。

そして、気象庁予報どおりの午前5時。それもきっかりの時刻に、ポツッ、ポツッと細かい水滴が頭に当たりだした。遂に来た雨。昨年秋の「日の丸マーケット」立ち上げ以降、開始時刻より雨にたたられた事はなかった。

すわ、急げとばかりに濡れてもいい出品物のいくらかをテント内の一部に下ろす。埃で汚れた初出しの陶磁器や石製の商品は、これからどれくらい降る雨か知れぬが、洗浄も兼ねてテントの周囲に並べる。

そうこうしている間に、いつもの出店者が参集しだした。昨日来、雨の場合はわれわれの命でもある商品の雨による傷みを考え、「無理して出店していただくなくて結構ですよ。」との連絡は入れてあった。それでも5時半過ぎには5者集まり、良くぞこんな早くにわざわざ遠い自宅から各位参集してくれたと感激に咽ぶ。

何よりも、雨の平日ゆえ、客足が遠のくのは自明で、それでも現地確認と言うには早い時間帯に律儀に現地まで足を向けてくれたことに、心の中に大きな感謝と自身の幸せを感じ入った。

その後も1者2者と、到着する。うち何人かはいつものように所定の場所に陣取り、黙々とテントを広げ、商品を並べる。遅く来た出店者はその理由として、わざわざ「倉庫においてあるテントを積みに行っていたので到着が遅くなった。」とまで言ってくれた。

その頃には雨足がかなり強くなっていて、2、3の出店者は已む無く帰路に就いたが、残ってテントを張り出した彼らには、本当にこの状況の中、主催者側としては「大丈夫ですか?」と声を掛けたくなる光景であった。

張ったテントの屋根からは時折大量の溜まった雨水が落ちる。テントの端の方の商品は当然のこと徐々に濡れていく。連絡があり本日は出店しない旨伝えてきてくれた常連出品者を除くと、ほぼ全員に連絡が付き、それでもきちんと5~6のテントが並んだ。

完全に夜が明け、目の前の住之江通りのバス停に出勤者の列が並ぶ頃、いつものようには来場者の居ない会場を回った。その際ある出店者は「サラリーマン時代は、雨が降っても雪が降っても、その為に休むなど考えたことはなく、同じ時刻に何があっても仕事のために出勤していた。それを考えると出店するのは当たり前のことだと考えている。」と言われた。ひとつ忘れかけていた事を思い出させていただいた言葉であった。

結果、来場者は極端に少なく、また商品も多く並べることもできず、そして雨に濡れ散々な一日であったが、それでもお互い出店者間の売買や、この日を予定していて来場いただいたお客様達に支えられ夕刻まで頑張った。付記すると、かなり降った雨の中、午前中で引き揚げた出店者は居なかった。

各地の骨董市やフリマは様々。雨天決行や雨天中止、雨天順延、雨天は後日に延期等々、たいていは前日に判断し決定する。「日の丸マーケット」も同様だが、今回の経験を元に実行委員会で協議し、今後は暴風雨や大雪ではない限り「雨天決行」としたい。

とは言え、梅雨の最中、主催者としては雨乞いもあわせて行うつもりである。

出店いただいた方々、雨中ご来場いただいた方々には衷心より感謝!!

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