■年賀状の保存■新年挨拶・寒中見舞い状・日本の正月風習

新しい年が明け、三が日も過ぎた。

最近はネット社会という時代にどっぷり浸かってはいるが、まだまだ新年の年賀状を受ける方も多いと思われる。こういう筆者も元旦から始まり、既に何十枚かの賀状を受け取った。

旧知との友情の深更や、最近縁のあった方々のお付き合いの始まりでもあり、印刷や写真による近況報告が殆どという時代になったが、それはそれでこうしてわざわざ送って頂くということに大きな感謝の念を抱いている。数十年会うことがなくとも、お互いの存在を認め合っているからに他ならないと感じる。そういう意味でこの時期は至福の時であることには違いない。昭和の生活が残っている部分であろう。

喪中の知らせを年末の間に頂く。時期が早ければこちらから賀状を出さない、ということが通例のようであるが、これは先方が喪中で新年の挨拶は控える、という意思表示で、当方からの賀状を出すことに気が引ける場合「寒中見舞い状」として出すことが最良と思われる。とは言え、失念して年賀の挨拶の言葉を入れて送ってしまっても問題はない。最近誤った認識が横行してきているのは、年賀状に対する本質の意味合いが薄れてきているからに他ならない。おめでとうとは言えないけれど、謹んで新年を迎えましたという意思表示であれば問題ないと考えている。

さて、頂いた賀状の中には手書き(手描き)の、または丹精こめた手作りの賀状もまだまだ残る。裏面は印刷でも宛名は懐かしい友人の文字。元気で頑張っているなと感じられることも多いであろう。また添えられた一筆から近況が伝わってくるということも。確かにこの時代、多くを語ろうと思えば携帯電話などの通信機器で間に合う。それでも年賀状というものがまだまだ急激に減っていないということの意味合いを感じ続ける日本人が今後も多く残ることを念ずる。

前置きが長くなったが、頂いた賀状の保管は各人各様であるようだ。次年度の為に一年間は保管している方が圧倒的に多いと考えるが、それでも一年間のことで、中には返事を書けばすぐに処分される方も居られるようだ。文房具店に行けば、「年賀状ホルダー」なるものが販売されていてそこに年度ごとファイリングしておくということもできるようだが、これが何十年分もたまり続けることの意味が見出せないでいる方も多いであろう。

筆者は数年前より、特に手の込んだ自身の嗜好にかなった物だけは別に保管し、折に触れて鑑賞し楽しませていただくことにしている。

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「今年も頂いた手書きの戦闘機の賀状」

書家、画家、工芸家による手作り賀状や、写真家によるオリジナルの物である。即ち、148mm×100mmの長方形の枠に収まる芸術作品または工芸品というべき物はその一年鑑賞し続けている。

差し込めば掛け軸になるツールや、はがき用の額縁など、以前から市場にあふれている。それらを利用して楽しんでいる。

とは言え、その他頂いた賀状はすべて別途保管してある。その保管方法は、当年に頂いた賀状と喪中の知らせを一緒に年度ごとまとめて保管するという手法である。その時期は、松の内が過ぎたころ、もう年賀状としての葉書を受け取ることのないであろう時期がベストである。

まず読み返すことはないが、心を致し、送ってくれた物は粗末にはできない。他のダイレクトメールなどと混じらないようにその二つだけを確実に分け、袋に入れ、箱に保管している。そして翌年度には少なくともその中の物には必ず心をこめて発送をする。自身は手描きを心がけている。

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そのような保管の方法がどんな方法よりも最良とは思わないが、過去不便も一切なかった。ただ単に、忘れることなく年に一度、心をこめて送ってくれた気持ちを捨てられないというだけのことであるかも知れないが・・・。しかし、そのような気持ちが今の日本人には一番大切なのではないかと考えている。

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