徒然に・・・『新名神 箕面とどろみIC』高速道路建設現場交通事故台風前夜

『箕面とどろみIC』(大阪府箕面市)
新名神の「箕面とどろみIC」ができるまでは、この地は落語「池田の鹿飼」の舞台である豊能方面から京都府亀岡市に至る旧街道の地で、関西有数の昆虫の宝庫でオオムラサキやオオクワガタの一大生息地でもあり、また道路沿いに流れる川は都会から程近い岩魚やアマゴの釣り場でもあった。
筆者自宅から車で10分のここにも、京都方面から北摂高槻を経て神戸北部まで繋がる新名神高速道路が数年かけて築かれ、ある意味交通面では大変便利になった。そして、そのインターチェンジや取り付け道路が整備された。
中でも箕面有料道路への連絡道と一般道への出入りの料金所を併せても、ETCゲートばかりたった4つしかない料金所の割には、そびえる山々に挑むような巨大なループ道や取り付け道路は異様な大きさで、その大そうな構造物ができたがいいことばかりではないような気がする。
建設中にも橋げたが落下、作業員に死者が出た。その頃は他の地方でも新名神の工事で橋げた落下の悲しいニュースが相次いだ。
そんな事故の後は少しの期間休工にはなったが、それでも開通を急いだのか、比較的早期に開通した。
開通してからは、インターチェンジ周辺の府道や県道の交通事情はやはり厳しくなったと感じている。
先ほど(昨深夜23:30頃)京都方面から帰宅の途中、インターチェンジを出てすぐの池田市に向かう旧道の狭曲路で、まじめそうな若者の自損事故に出くわした。
街灯ひとつ無い山道の中、真っ暗な中で携帯電話片手に歩行している姿は不自然でもあったし、今夜接近する台風21号の降り始めた雨の中、それは一瞬何か不吉な感じを感じさせた。
彼を避けて第一カーブを曲がるとそこには小さな高級乗用車が崖に激突していた。ミニクーパーのように見えたがそれは車線をふさぎ、登り、下り、どちらの車線からも余所見をしているとすぐに衝突してしまう位置に、ヘッドライトや他の部品の破片と一緒に横たわっていた。
停車して大声で声をかけ、怪我の具合を聴いたが、幸いにもその若者に怪我は無く、夜道をたまに走ってくる自動車に注意を喚起するため走り回っていたのだ。
筆者もヘッドライトをハイにし、少し離れた場所にハザードライトを点灯し、降車した。
こんな時は誰でも心細い筈である。更に大声で色々聴くと、頑張って答えてきた。「110番には通報しました。」「JAFにも連絡しました。」「他の通行車の衝突が怖いので注意を喚起しています。」「そんなにスピードを出していなかったのですが・・・。」等々。一所懸命気丈に頑張っているのが分かる。
こちらからは勇気付けようと、「家は近く?」「こちらはまかせて!」「警察が来るまで一緒にいるから・・。」と、意を決して傍にいてあげようと思った。
・・・居てあげる、ということが親切の押し売りや自己満足になってはいけない、と思いながら、それでもしかし、なぜかこの若者が自分の子のように感じられて、警察が到着するまで一緒にいた。
若い時は色々ある。自身も色々経験した。気丈に振舞わなければいけない時ほど人間は孤独なものだ、ということはよく分かっている。
到着した警察に、唯の通りすがりであることを伝え、現場を後にした。
この、事故当事者の若者は、今夜は色々考えたり思い起こしたりし、眠ることはできないであろう。辛い夜になると思う。今夜の経験も生かし、人の気持ちの分かる強くて思いやりのある日本人として成長し続けてくれることを願う。
(写真は過日の日中撮影の箕面とどろみIC)
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