『中国上海・豫園商場』骨董品購入・案内紹介マル秘情報「蔵宝楼の二階・中二階」⑩

この連載も⑨から相当日が空いた。申し訳なく・・・。

前回は一階商場の、割とかたまった商品分布について紹介した。

今回は、二階、中二階の紹介となるが、ここはそのどちらとも陳列されている商品にかなりのバラつきがある。

中二階には、一階正面入り口入ってすぐの右手及び左手の階段、もしくは少しわかりにくいが建物再奥の右手に普段使われていないような階段があるが、そのいずれかから上がることができる。奥の左手昇降機の横の階段からは中二階には上がれない。

中二階と称するのは、そこが回廊になっており、その回廊からは一階が見下ろせ、階段の段数で判断すればそこが二階で、実際の三階は今回述べる「二階」だろうと考えられるが、感覚的には中二階と呼ぶのがふさわしい為である。

要は一つ上のフロアーに上がるのに、くの字に折れた階段を上がっていくはずの建物だが、一階から上がり、その最初の踊り場から直接回廊に繋がっている。

そこには建物の外壁の内側に並んだ商店が一列に並んでいるが、脈絡のない、例えば古銅器店、発掘文物店、文革時代の文物専門店、少数民族の伝統衣装店、水晶などの原石店、掛軸や扁額などの画商など、雑多で、それでいて観ながら歩きやすいフロアーである。

ここの商店は、中国全土に多くある「古玩城(骨董商ばかりのビル)」とは違い、開店休業の店は見かけない。よってすべての店は開いているが、主がいつも居るかどうかとは話は違う。

店内に入って商品を観たくても、店番がいない。隣のおじさんやおばさんが出てきて、聞いてもわからない上海語で声を掛けてくれるのはいい方で、ほとんどは他人の商売そ知らぬ顔だ。暇なので回廊の真ん中で仲のいい店主同士、トランプに興じている姿もよく見かける。

一周回っても、端と端は階段なので一旦階下に降りるしかない。二階三階以上に上がろうと思えば建物左の階段しかないので、結局元の踊り場に戻ってくるしかないことに気づく。

そして二階。階段室の階段をそのまま上がると踊り場正面に一軒だけ商店があり、折り返すと三階に上がって行くことになるが、その踊り場の左手に古い木の扉が・・(もっともここはいつも開いているが)。その奥が広々としたフロアーにぎゅうぎゅうに商店がひしめき合っている。

珍奇な物、高価そうなもの、ゴミのような物、美しい玉や絵画など・・・、壁際の分厚いガラスの扉のある店舗から台の上に商品を並べただけの小さな骨董品屋まで、数えたことはないが30店舗から50店舗位は雑居しているであろうか。

もちろんそんな状態なので、文字通り玉石混交。真贋はおろか、書道具、茶器、玉器、木製品・・・。等々ここもかなりの雑多さを感じる。

また、薄暗くて陰気で、建物が古いときているので、おそらく海外から来た純然たる観光客はここの入り口で引き上げてしまう人が多いのか、たまに見かける通訳をつれた欧米人以外、アジア系、特に日本人はまず見かけることはない。

しかしそれがまたゆっくり掘り出し物を見つけ、買い付けるいい環境だとも感じる。北京の藩家園や天津の瀋陽路など有名な骨董市場のように人いきれにまみれて、スリや喧騒の中で色々なことに神経を配りながら値段交渉するのとは訳が違い、商談に没頭できる。

欲を言えば商品の回転が悪そうなこのフロアーでは、何度も通っていると目新しい物が少ないということぐらいであろう。上海在住の日本人ならそれでいいが、ただ我々は時間をお金で買うという状態の観光客と同じ条件下の仕入れ行脚なので、時によっては勉強のフロアーだと割り切って、日ごろ目にしたことのないような物についての質問や、その時々の商品の流行を確認したりだけのこともある。

なぜならば、このビルに通いつめる真の目的は、3階以上の、いや究極の言い方をすれば四階での買い付けが目的だからである。

次回は、簡単に三階売り場の紹介をし、四階でのイベントについて触れてみようと考えている。

⑪に続く・・・。

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