■関西の骨董市■『いくたまさんの骨董市』天王寺区生国魂神社

大阪市内天王寺区、四天王寺界隈の南から谷町筋を北上、谷町9丁目交差点の手前に案内標識があり左折。すぐに参堂、そしてその先が神社正門である。

大阪ではかなり歴史がある、由緒のある神社である。旧官幣大社で鳥居の下の提灯には堂々と皇室の菊紋が描かれている。

CA390226

市はその手前の参道において開催される。周囲の道路からは桜並木や縁石で隔離されているので交通が支障となる安全上の心配は無い。春の桜花満開の季節には素晴らしい景色になるだろう。

今回初めて出店者として参加した。その状況を、いつものように出店者としての立場で感想なりを述べる。

自宅からは遠隔地の為、前夜現地に到着したが開催場所がわからず、閉まっていた神社の正門の外から拝礼し、近隣で車中仮眠。大阪市内有数のホテル街、そう、骨董屋のおじさんには縁のないホテル街のど真ん中に立地する神社だが早朝6時過ぎには順次業者が到着。7時には桜並木の参道の両側全面に商品が並んでいた。

CA390214

CA390219

CA390220

商品のジャンルは古物業界で呼ぶ「道具類」が多く、販売形態こそ違え一部の他の市とは違い、雑多な引き取り物をそのまま並べるような業者は居らず、第一印象としてはまじめな純然たる骨董市の様相であった。当然筆者もタープテントを拡げ、台を組み立て、商品を並べた。

前夜の豪雨の為、まだ曇る空に不安はあったが、初めての出店ゆえ頑張って、そして見栄を張って沢山の商品を並べた。云十万円から云十円迄と幅広い価格帯の商品である。正午頃になると天候もかなり回復。危惧された降雨にも安心して初秋の空気の中で店の店主となりテント内に鎮座した。

CA390221

CA390225

CA390223

ここの市は、正午から、出店者と常連のお客によるミニオークションが開かれる。よってそれを楽しみにして来場する骨董マニアが11時頃から増える。我々出店者が持ち寄る商品以外に、常連マニアの方も不要となった骨董品を自宅から持ち寄り競りにかける。出店する側も落札する側も手数料は不要な競売なので気楽にできる。

勿論通りすがりの一般の方の飛び入り参加も全く問題ない。逆に我々業者が入札、落札することもできる。椅子やセルフサービスのコーヒーなども準備されるので、皆さん気候もよく大変楽しまれたようだ。高いものは貴金属くらいで、それ以外は一般市場よりかなり安い価格で落札され、2,000円を超える物など珍しいくらいであった。要は常連参加者においては多くの費用もかからず、安く楽しく骨董談義のできるサロンなのであろう。いい雰囲気の市である。

約二時間余りの路上での競売は、一般の通行人からすると奇異に映るかもしれないが、中々活気があり、和気藹々とした中で終了し、その後は再び参加者の多くは各出店者のブースを見て回る。出店者にしても確実にお客は見に来てくれるシステムではあるが、反面オークション開催中は閑古鳥が鳴く。その間に昼食を済ませる。

CA390224

競売が終わり、参加者の来店時間帯が過ぎると、出店者の何人かは遠隔からの参加者もいるのだろう、誰からとも無く片付け始める。片づけが終われば帰路につく出店者が増えるに従い、寂しくなる。いつも片付けに時間がかかる筆者はここでも最後の引揚者になった。

終了してみると、一日の売り上げは出店料を引けば数百円残った。ここから商品の原価や日当を差し引くと全く赤字で、交通費も持ち出しである。露天の市とは天候にも左右され、こんなこともあると割り切っているので、初回出店で常連の訪問者に顔を覚えて頂いたのが成果で、勉強もできたと考えている。そして今後も可能な限り出店を続けていこうと考えている。

都会の真ん中で、この素晴らしいサロン化に成功している空間。「いくたまさん(生国魂神社・いくくにたま神社)の骨董市」。この最高の空間を目標に自身も大阪護国神社の「日の丸マーケット」の立ち上げと継続のコンセプトにしていきたい。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク