『中国上海』骨董品購入・仕入れ・交渉術・場所・時期時間帯その他①

今回から何度かに分け、中国骨董の買い物について、体験した事や気を付けなければならない事、そして心構えや準備についてランダムに記す。

実際の体験に基づくノウハウの開示になるが、旅行や観光、そして仕入れを目的とした方々の一助になれば幸いである。写真掲載ができない事が多いが、可能な範囲で連載紹介していくので参考にしていただければ幸甚である。

初回の今回から何回かに分け、序章として衆知のことも含め、中国という国や中国人気質、中でも商都上海の全般的なことの一部について触れておきたい。庵主は民俗学や言語、歴史学者、政治学者などではないので完全完璧な事ばかりではないと思うが、あくまで三十回程度の訪問した狭い体験、しかし一般人として実体験から感じた事を中心に披露することをお許しいただきたい。

さて、中国の首都は北京である事は世界中の多くの民が知っている。しかし中国の主要都市の中で北京より物価も高く、人民の個人年収(平均)も高いのが上海。次に大連、北京と続く(10年ほど前の調査)。つまり中国国内では相対的にお金持ちが多いともいえるだろう。文化的な都市であることは間違いない。

人口は2,000万人、東京の約二倍である。言語は普通語(標準語)と上海語。日本人の多くは日本語に無い「四声」、つまり単語のイントネーションによる使い分けが苦手で、聴くも話すも通じにくい中国語に悩まされるが、単語さえ覚えてしまえば上海語はかなり聞き取りやすく、遠くで聞いていると日本語の関西弁のようにはっきり聞き取れ、また発語しやすい言葉が多い。

とは言え、普段耳にする中国語とはかなり違う言葉が多いので覚えるのは現地の住民と実際に話す以外に中々方法は無く、上海周辺でしか通じない単語が主流なので勉強するに難しく、使うにも中国の他地域では通じる事は殆んど皆無で汎用性が無い。例を挙げれば「ニーハオ(こんにちは)」は「ノンホー」、「シェシェニー(ありがとう)」は「シャジャノン」、「サイチェン(さようなら)」は「ツェイウェイ」、「ヘンハオツー(すごくおいしい)」は「ラオハッチェ」という具合に上海周辺のみの独自の言語に近い。

しかし、彼らは当然のこと、中国共産党が首都を北京とし中華人民共和国を建国し、北京周辺で使われていたいわゆる北京語を「普通語(プドンファー)」として制定して以来、学校では日本の「国語」のようにもれなく普通語を教えるので、西方やチベットや朝鮮族の多い地方とも同様、一部の高齢者等を除き殆んどの上海人は普通語を使える。まあ、庵主のように学生時代に学んだ事も事もなければ成人してから特別に習った事も無く、ましてや住んだ事もない人間にとっては「かんたん・日常会話中国語」程度のポケットブックを見ながら会話するというのが関の山であるが、それでも普通語の存在が大きな助けとなるわけである。

最終的には漢字の読めない西洋人とは違い、日本人は簡体字以外の漢字なら一応その場の必要な事はある程度の想像がつくので助かる。今は日本と同じで、コンビニやスーパーがかなり増えていて、話さなくても日常茶飯の買い物くらいなら問題ないと感じている。ちなみに中国での小学校教育での英語導入は日本よりかなり早く、授業時間数も雲泥の差であるから若年世代には英語の通じる者も多い。母音子音の種類の多い中国人ならでは、世界一発音のきれいな英語を誇る米英以外の国である事も付け加える。

とは言え、露店や昔ながらの商店で買い物をする際には、せめて数字くらいは覚えなければいけないがそれも漢字表記では日本と殆んど変わらないので、最小限の数字の読みができるようにしておくことは必要である。

細かい事はさておき、次回は早速、買い物をする際の心構えのような事を述べていきたい。家事や仕事、諸事の関係で連載が途切れ途切れになると思うが、極力お役に立てるような記事を連載し続けたいと考えているので末永くお付き合いいただきたい。

②につづく・・・

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク