先日来急に寒くなった。厳寒に向けて乱高下の気候、気温である。
冬支度をする為、長野県飯田市の別宅に来た。柿簾は見事、その後方の里山も満艦飾。南アルプスには冠雪も。天竜川沿いの集落には今年も見事な川霧が。そしてその雫の音が切なく聞こえる。年越しの準備にかかる時期の到来である。
さて、ところで今年の紅葉。地域によっても違うのか、そこまでは判らないがかなり黄色い。平穏無事で雹や台風のさしたる害もなく、突然訪れた晩秋。
数日前別宅に着いた時点で既に庭木の落葉が始まっていた。桃から始まった果樹の収穫以降、今年は梨も柿も早生リンゴも全てが早かった。庭にそびえる希少樹「ハナノキ」も半分もの葉が庭に散らばっていた。
それは見上げても黄色の葉ばかりであることに気がついた。例年なら、赤、黄、緑、茶と、それぞれのグラデーションを競い合い、それこそ庭の地面を満艦飾という言葉通りに敷き詰めてくれる落ち葉は今年はほとんどの物が黄色である。
ドウダンツツジさえ心なしか赤さにかける。おそらく気候のせいで、今年はこの周辺はどこに行っても同じであろう。
今年一年のみであること、特異な気候によるものであると願いたい。温暖化が叫ばれるこの時代、紅葉の色のみではなくすべてに影響するようにならないように願う。
今はまだ里や山々にはいろいろな色があふれている。柿簾のオレンジ色、信州には少ないが真っ赤な紅葉、黄色が多くても色づく果樹や雑木。このまま冬将軍が訪れ、一気に冬景色になるのは寂しい。
やはり日本の冬は十分な秋の色の後に来てほしい。
数日後、当地に天皇皇后両陛下が行幸啓されると聞く。ともにじっくり鑑賞あそばされるよう祈っている。