戦没者遺骨収集事業協力者『感謝状贈呈式案内』

6月下旬、厚生労働省担当部局から茶封筒で突然の郵便物が届いた。それも速達である。

戦没者遺骨収集事業に参画している身としては、5月の千鳥が淵戦没者墓苑において開催される「拝礼式」への厚生労働大臣からの案内状や、8月15日の終戦記念日に日本武道館で挙行される「全国戦没者追悼式」への出席に関する時の総理からの案内状が来ることはあるが、それらはいつも白い角封筒で、今回のように茶の長方形封筒で受け取る郵便物は無かった。遺骨収集事業への参加実施要領は毎回大きな角封筒なので、明らかにいつもとは違う。怪訝に思いつつ、封を開いた。

内容は、大臣から感謝状を贈呈するから式典に参加するかどうか、を問うものであった。出欠の意思を伝える返信用葉書と当日の時程、場所等の案内が同封されていた。ご丁寧に注意事項の最後の項目には「恐れ入りますが、交通費は自己負担にてお願いいたします。」と記されてあった。その一項目に目を通した瞬間、予期せぬ突然の案内でもあり「振り込め詐欺」ではあるまいだろうが人を担いだ案内かも知れず、念のため三日後の月曜日に厚生労働省に電話で確認をする事にした。ここ5年ほど遺骨収集のボランティア活動をしていて、同志や先輩から聞いたことのなかった話であった事でもあるのと、万が一真実の話であればその選考基準や推薦者についても確認しておきたかったからである。

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週が明け、記された担当部局に電話をした。半信半疑ではあったが確認し問題は解決した。感謝状拝受は真実のようである。ありがたい事である。しかし、よくよく考えてみると、この様な見返りは一切念頭に無く究極の自己満足と考え、今の祖国日本の繁栄の為の礎になられ、無念にも命を落とされた戦没者への慰霊の念で始めた活動である。ライフワークとして自身で可能な範囲でしか行動していないこの身には青天の霹靂というか、勿体無く、受け取ってしまえば純粋な気持ちが薄れるような気がしたのも嘘ではない。

選考基準については、期間中5回以上の遺骨収集事業への参加。今回は前回贈呈から後の、平成13年度以降27年度までの15年間という事であった。年に数回参加の自身にとってはタイミング良く拝受できた時期ではあったが、その期間に滅私奉公、注力されたにもかかわらず物故された方々が気の毒である。特に贈呈についてのタイミングの基準でもない限り、もう少しこまめな贈呈を期待する。遺骨収集事業参加者の主体が高齢の遺族である事を鑑みると尚更そう願う。その他にいくらか突っ込んだ質問も投げかけたが、個人情報管理の重さが叫ばれる今、被表彰者の人数や出席予定状況等かなり広く答えてくれた事に感謝。

いつも返信までの期限の短い政府関係の案内ゆえ、真偽を確認した月曜日中に返信葉書を投函した。勿論「出席」である。英霊からのご褒美と捉え、万難排し出席する予定である。

次回投稿では贈呈式での具体的な出来事や様子について紹介する予定。貴重な体験を無駄にする事なきよう、引き続き頑張っていきたい。

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