昨年末初出店の後、月一ベースで出店。もう、大阪エリアから淡路島を渡り、四国に通うのも慣れつつある。
ここの市も、やはり暗いうちから出店者は皆、懐中電灯頼りに商品を並べている。ここの場合はそれでも魚屋・青果屋・花屋等も多く、骨董業者の出店はまだ遅い方である。
商品を並べ終えるとお決まりの見学だ。大抵は同じ場所に同じ業者が出店しているので戸惑うことはなくなったが、それでもいつも同じ商品ではなく、また業者自体も入れ替わっているのでいつ来ても新しい物に出会える。
今回は関西では見たことのない「筍芋」と言うものを見た。腕より二周りくらい太い長さ50センチ以上もある筍芋。骨董商が売っていて、思わず買った。200円だった。味は淡白で粘りの少ない小芋という感じだ。
小職は骨董品を中心に並べているので客層が違う。軍装物、文房四寶、出土文物、刀剣類等々、何が売れるか分からないので雑多に地面に置く。今回の目玉は数十年前の、今では採掘されていない端渓硯の良硯と武具などである。
夜が明ける頃、軍装物や硯に人が集まった。特に、大都会に比べると大きな画材店や文房具店の少ない徳島では愛好者たちの目も違う。友人から10年ほど前に預かった端渓の極上品は、こちらの値付けも安かったのかすぐに売れてしまった。
四国に渡る直前に届いた未開梱の鍔や柄も、玄人であろう愛好者が値切りもせずに指値で買っていった。恐る恐る売価を述べるので売り上げは伸びない。もっと自信を持って売らないと、これではまるでボランティアであると反省。寒いのと徹夜移動で眠いのが頭の回転の邪魔をする。
早い出店者は昼頃になるとしまい始め、引き揚げ始める。壁の西側に陣する小職は、やっと太陽が当たり、暖かくなってきたと思った頃には先ほど並べた商品を再び新聞紙等で包み始めなければならない。長距離を経費と時間をかけやってきたので、少しぐずぐずしているとあっという間に取り残される。気がつけばいつも最後までいる業者くらいしか残っていない。
話すのも好きなので、残った出店者の所に行って色々会話していると、そのうち気がつけば何か買わされてしまう。これでは本日の利益は別の物の仕入れ経費に変わってしまう。反省することだらけである。
今回は、血統書付きの鶏を見た。最初食用の鶏かと思っていたが、純血種の保存協会のような団体が「鶏マニア」相手に数羽出品しているということに気がついた。色々な世界があるものだと関心。まあ、金魚や鯉等何でも出ている市なので無理やり納得はしたが、それにしても様々な物が出ている面白い市である。
彼らに負けじと次回も何か目玉を考え、来場者に喜んでもらう、と言うより、皆を驚かすことのできるような出店を目指していきたい。
四月は第一週に再び参加する。経費と日当、それに商品原価程度が出ればそれでいい。経験の蓄積と実績、それに想い出が増えるだけでも財産である。