●手巻腕時計・自動巻腕時計●昭和レトロ・セイコー・シチズン・オリエント・リコー

手巻時計が好きだ。あのカチカチカチ・・・と、耳に近づけると聞こえる微妙で正確な音にも大きな魅力を感じる。竜頭を巻く音も同様である。

音だけでなく、毎日毎日ねじを巻かないと止まってしまうという、何か生き物のようなその存在に愛おしさや優しさが生まれてくる。竜頭を巻いている間、指先に全神経を集中し、巻き過ぎないように、そして竜頭の心棒や中の歯車が破損しないように丁寧に巻いていく。

クオーツや電波時計の電池時計が全盛の現在忘れかけていた感覚であるが、たまに巻いてみると懐かしく丁寧に生きていた頃の想い出が蘇ってくる。

自動巻の味気なさを学生の頃感じ始めていたが、今となってはそれも昔で、腕にはめたり振ってやらないと、そのまま置いておいてはそのうちに止まる。これもまるで生き物のようで、やはり手巻と同じで少し違った生き物を飼っているようなものだ。

どちらも機械的な構造なので大きな衝撃などには弱い。また、金属疲労や動く事による磨耗などの為いずれ壊れてその時を刻む道具としての生涯を終える。

時々オーバーホールしないと内部の機会油が粘ってきて動かなくなる。自動車のエンジンオイルが古くなるとシリンダーやピストンが磨耗するのと同じような現象も現れる。電池交換という費用はかからないがそれなりに手入れが必要である道具である。

もとより身につける道具という事でも愛着が沸く。相性の良し悪しを感じることもある。そのような擬人化した感覚が沸く道具は数少ない。ならば徹底してメンテの必要度の高いものをというわけではないが、やはり手巻に軍配が上がる。

この、時の流れの速い、効率第一主義の時代に逆行するかもしれないが、たまには竜頭を指先で巻いてみてその感触を味わってみてはいかがであろう。バーチャルなゲームとは違った感覚や感性がよみがえる。大袈裟だが人間らしさや物をいとおしむ心が更に培われるかもしれない。

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いくつか手持ちの手巻・自動巻腕時計の映像を載せた。効率的でスピードが速く全てに正確さのみを求めて画一的な現代において、これらの懐かしく優しい、俗に言うレトロなデザインと共に、アナログきわまる機能とデザインに日頃感じない人間性を感じられるかもしれない。

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