天皇皇后行幸啓・『満蒙開拓平和記念館』長野県下伊那郡阿智村・展示に工夫を。

当地に天皇皇后両陛下が行幸啓される。明日夕、阿智村のお泊所に到着。明後日午前「満蒙開拓平和記念館」の後、飯田市内へ。

中央アルプスと南アルプスに挟まれ、その間を流れる天竜川の支流、阿智川流域の静かな山村である。天皇皇后の行幸啓など今までに記憶に無いという人が多い地で、美しい景色の元、ごゆっくり静養されることを願う。

「満蒙開拓平和記念館」には遅ればせながら本日訪館した。極力展示物が変わらない直前の方が良いと判断したからである。

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既に二組の団体客が有ったが、雨天でもあり、展示物や手記をゆっくり見たり読むことができた。

展示物は決して多くない。映像紹介も入館中は上映されていなかった。壁に貼られた戦時ポスター等は、当時の雰囲気を垣間見るには十分だが新しい印刷物で、よくネットなどで見かけるデザインのものが中心である。

展示物のうち、戦中の木製ラジオ本体や義勇軍の衣装など実物も有ったが、大半は壁に展示された年表や写真等が中心で、ガラスケースに入れられた戦時郵便などは照明も暗く、読み辛かった。当時の地図は、開拓団の事情や戦史を良く知った者には見やすい位置の展示でもあり興味深いことであろう。しかしこれらは今の時代、書籍やインターネットで充分足ると思われる。

タイプかワープロ打ちでは有ったが、口述筆記だろうと思われる帰国者の手記が何点か有った。これはこの館内で立ち読みするには少し疲れるが、内容的には充実していた。実体験に基づく記事であるから当然であろう。

帰国運動の沿革と、運動開始時期の様子の展示に続く最後のコーナーが図書室であった。開拓団関係中心だが、蔵書数の少なさには驚いた。更に確認したところ、蔵書の貸し出しやコピーサービスもしていないとの事。

開館以来、予想を超える入場者数の推移だとの事だが、全てにもう少し工夫し突っ込んで運営すればかなり充実した展示や活動ができると思う。運営自体が経済的にも大変だとの事だが、入館料500円を続けて現状のままであれば、二度行く必要も無いので将来はジリ貧だと感じた。

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両陛下がお時間を割かれご閲覧されるとの事。これを契機に、この美しく辛苦の記録の残る土地の記念館が更なる充実と発展していくことを心から祈念する。スタッフの健闘を祈る。

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