『セスジスズメ幼虫』農作物の害虫・黒イモムシ

「セスジスズメ」。スズメガの仲間。幼虫はある意味人気のイモムシである。

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イモムシ(芋虫)と呼ばれるからにはイモ科の植物の葉だけを狙って食すと考えていれば大きな間違い。こいつは何でも食す。雑草ばかりではなく、ガーデニングの観葉植物や庭木の葉まで、百日紅のような比較的硬い立ち木の葉まで食す。農作物にとっては、かなり大きな影響を被る有力害虫である。

夏の終わりから秋にかけ、成長が早く、あっという間に大きくなり、蛹化、そして羽化、グライダーのような形の成虫になる中型の蛾である。発見すれば駆除に努めた方がいい。

しかし、蝶や蛾の幼虫で黒いイモムシは少数派で、昆虫好きな愛好家にとってはその墨を流したような幼虫の体色が人気らしい。また、肌を撫ぜた時の感触がひんやりとした「シルク」のようであるという。手の掌に載せ、かわいがっている人も多いと聞く。人の嗜好は、時により理解しがたい事があるものだ。

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写真のものは、自宅前の地面を這っていた。砂利の地面を、体をくねらせながら、そして尾の上部に一本だけ生えている、先の白い尾のような部分を前後に振りながらわき目も振らず前進する。この様態もかわいいのかも知れない。確かにかわいいと感じるのは理解できる前進の仕方である。折角なので前進しながらカタバミ等の雑草も食いながら行動して欲しいものだ。

生憎筆者は捕獲しなかったので、飼育は出来ず、その蛹や成虫の姿を紹介することは出来ない。成虫は終戦間際のロケット機、「秋水」を連想させる容姿で色合いは決して美しくはないが、直線的な模様が印象的な男性的な「蛾」である。

「蛾」と「蝶」。昆虫学的には同種の生き物だが、女性的な「蝶」に比べ、このような男性的なものを「蛾」というのかもしれない。試みられる方は是非飼育してみてほしい。

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