一番乗り■三遠南信道 天竜峡~龍江区間 開通■三河(愛知)遠州(静岡)南信(長野)■天竜峡IC

昨日、令和元年11月17日(日)15時、長野県飯田市の南端、三遠南信道天竜峡ICと龍江ICの間が開通した。

南信州飯田に住み約20年。浮沈を繰り返した往時の観光名所天竜峡周辺の再起を賭けた「天竜峡百年計画」の進捗にも大きな期待を寄せる事の出来る喜ばしい一日である筈だ。

前夜、現地付近を通った際、夜通し警備をしていた係員にも確認。15時きっかりの開通は間違いないとのことで、当日は開通時刻30分ほど前に家を出た。一番乗りができればラッキーだという程度の気持ちで・・・。

自宅から現地までは10分足らず。紅葉溢れる錦秋の南信州という時季、土日連休の二日目の夕刻という事もあり、天竜峡ICに入る国道はいつになく北行きも南行きもかなりの交通量で、その何割かは並んで開通後の車列の一番乗りを得ようとしているのか、新しく開通する自動車専用道路への狭い導入路に停車している。

それらの車を横目に見ながら導入路の最終カーブ(ロータリーになっている)に達して、通り過ぎ際にそこにいた警備員に再確認すると、やはり開通は15時きっかりなのでそれまで駐停車は禁止だという。要は、たまたま15時に通りがかった車が一番乗りという事になっているらしい。

ロータリを一周まわって、元来た国道に戻り、周辺のいくつかの狭路に入るとそこにも既に一番乗りを狙う車が並んでいたりする。並んでいない道は全て警備員が立っており、停車を咎める。幾人かの警備員には、降車して要領を訊いても的確な返答はない。その内に周辺道路は更に混雑してきた。闘争本能のような物が沸き上がってきたのはこの頃かも知れない。

15時の5分前、思い切って導入路最奥のロータリーに侵入してみた。少し早すぎた!しまった!と感じたのは4分前。こういった事は社会的にも影響が大きいので必ず時刻きっかりに正確に進捗させる筈であると、はやる気持ちを再度引き締め、三度目、国道に出た。

国道への合流地点で信号に引っかかった。と思ったが左折可の交差点。この頃には2分前くらいであったろうか。左折を選択し、南方向への道を選び、百メートルほど行った脇道に入り方向転換。再び導入路の交差点に戻ったところ、再度赤信号に。時計を見ると1分前。

信号が青になったので来た道を右折。そこここに並んでいる時間調整の為に停車中の車?(ほぼ全てが高齢者マークを貼付していた。)を横目に見ながら通過。開通地点まで二百メートル。最後のロータリーに到着したその時、時計が丁度15時に!しかし、開通地点の黄色い先導車はまだ動かず通行不可の赤いコーンもそのままだ。

ロータリに入る道は南行きはかなりの長蛇の列。北行きも何台か。東を向いて国道から侵入の車列の先頭は筆者。自身の時計では15時になるのに開通地点の先導車は動かない。これでは再びロータリーを一周して元来た国道に戻らないといけないので、「急いではいけない、ゆっくりゆっくり」と思いつつも、車は時速20キロくらいの速度を保って遂にロータリーを周り始めた。

その時、こちらが一瞬早かったのか、他の方角からロータリーに侵入する車は優先道路ではないので交通誘導員によって一時停止を強いられていた。ロータリー路の中の先頭は自車だ。

一瞬、開通予定の道路の方を見た。男性が赤いコーンを除けているではないか!!そして道路管理者の制服を着た運転者が乗り込み、先導車が動き出した。「開通だ!やった!!一番乗りだ!!」。一路その車の後方に向かった。

その後の運転は制限速度より遅かったかもしれない。先導車が小さくなっていく。後ろの車も暫く見えない。まだ、交通誘導員によってロータリー侵入に時間を要しているのかも知れない。天竜峡大橋を渡ると、道路際からこちらを向けて数人がカメラを振り、手を振っている。大げさだが国賓か皇族などのVIP扱いになったような気分だ。

暫く走り、龍江ICで一般道に出た。一般道だと言っても、かなり山の中だ。何もないどころか、こんな山の中にアスファルトの道がある事の方が不自然なくらいの環境である。そんなことをぶつぶつ考えるのは、まさかの一番乗りを得た興奮が冷めやらないからに決まっている。

帰途、同日開業された天竜峡PAに寄った。数年以上前から何度か改造されたその地は広々とした立派なPAになっていた。天竜峡PAについての情報はまた後日に紹介するとしよう。

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