■四国の骨董市■『徳島びっくり日曜市』■売れ筋骨董品

「徳島びっくり日曜市」には、扱う商品が違うどころか、業種さえも違う様々な出店業者が混在している。詳細なデータは入手していないが、感じたところまず一番多いのが青果や魚を売る店、次に自宅もしくは工場で調理した惣菜や弁当を売る店、衣類や装身具を売る店もかなり多い。生きたペットや鯉金魚など売る店は数店だが、骨董品など収集家の集まる店も多い。骨董品などは商品のジャンルもあるが、いずれにしろ古物商であることは間違いない。

古物商の商品仕入れは様々な方法があるが、それについては次回に持ち越すとして、ここ徳島での経験による売れ筋商品の傾向を感じたまま紹介する。

どの地でも多岐に亘る分野の収集家はいる。そして、ジャンルに関係なく掘り出し物を探す人達もいる。一概にジャンルといっても、購入者の意図も多岐で、単なる収集に始まり、研究の為の入手、転売の為の入手、自身が使用する為に求めるお客・・・、とそれぞれの目的は違う。それでも骨董市で並べられている商品はその土地土地によって傾向は違う。即ち、その土地に少なく、その土地の人がいかなる目的で購入していくかを見極める事ができたら繁盛はする。

四国は源平合戦や海賊達の名残か、刀剣に興味がある人が多いと知った。興味がある程度ではなく、所持百振を越す収集家も何人も来店してくる。そして彼らは刀装具である鍔、目貫、小柄、笄などのみならず、財布の金具や緒締など、本来の日本文化たる工芸品に興味を示す方が多い。扱いや展示の管理には注意が必要だが、売れ筋商品であることは間違いない。

次に、根付などの木製工芸品。数が揃えば必ず売れる。茶道具など、他の地域で売れ筋の商品とは違い、自身の身に付けるものが好まれるようだ。

書の道具も興味を引く。硯、文鎮、古墨、硯屏などの文房四寶などは人が集まる。

装身具である腕輪や、玉や水晶でできたブレスレットなども興味を引くようだ。東京や大阪のように、それらを販売する商店や地域が少ないのかもしれない。

五葉松や風蘭、春蘭といった古典園芸が盛んな地域でもあり、盆栽などよく売れているようだが、それに使用する古渡の鉢なども人気である。

反して古伊万里などの皿や鉢、火鉢、軍隊物、着物、楽器、絵画掛け軸、古銭紙幣などは不調なようだ。特に家具系のものはほぼ売れない。琺瑯看板なども他地域に比べ収集家が少ないのかも知れぬ。要は、まだまだ大きな家や旧家が多い地域であることを考え合わせれば納得できる。それらが珍しいものではない地域なのかも知れぬ。

地域柄というのは凄いことで、この市で骨董品を並べている地元業者の中には、仕入れの為神戸や大阪まで出かける人達もいると聞く。神戸や大阪を本拠とする我々関西からの出店者の一人として、毎回積み込む商品は積み替える労を厭わない様にしたい。

今回は大雑把な傾向、それも自身感じたことを率直に述べた。よって、それがまったく正しいかどうかの保障はできない。しかし、美しく精緻で、割と煌びやかな珍しい物に興味を示す人達が多いと感じている。

先に触れたように、次回は骨董を扱う古物業者の仕入れの様々な形態について記そうと考えている。一般の方々にはご期待いただきたい。

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