冬の定番『あん肝料理』・かんたん調理・あんきもポン酢・鮟鱇

「東の鮟鱇(アンコウ)、西の河豚(フグ)。」と呼ばれ、この時期好まれる鍋料理の魚だが、フグは内臓などに猛毒のものが多いので一般人には調理は敬遠される。(販売にも毒の部分を除く為の厳しい条例等がある。)

そこで、『海のフォアグラ』と呼ばれる鮟鱇の肝と、ポン酢の絶妙な味のコラボを楽しんでいただく為、裏技や手抜きを含む『男の料理』方法を記事にする。

クックパッド等に数多くの投稿があり、今更な投稿ではあるが、基本の作り方はそれらの記事に任せるとして、気がついた有用な情報と思われる事項を中心に記す。

まず、極力新鮮な肝を入手する。最良の方法は鮟鱇を一匹丸ごと購入するのが一番であるが、産地で小ぶりの物なら新鮮な物で500円くらいから手に入る。「西のフグ」に比べて非常に安価なのも魅力である。

吊るし切りなどは、特に関西の狭いキッチンではなかなかできないのでまな板に置き、よく切れる包丁で腹を割く。鮟鱇は「捨てるところがない」と言われるほど、皮、軟骨、身、内臓、鰭と、食べれない鰓や歯の部分を除き殆どの部分が利用できるので、捌き方が適当でも、後で鍋に入れる大きさに切れば利用できるので思い切って包丁を入れる。

粘液と柔らかい皮が少々手こずるかもしれないが、一気に内臓を抜く。最大の臓器が肝であり、色合いもオレンジがかった灰白色であるので、一度見れば誰でも判別は可能であろう。

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一匹丸ごとでなくとも、この時期には魚屋やスーパーで「肝」だけを売っていることも良く見かける。国産の物と中国産などの物があるが、飼料を与える養殖魚ではないので、また一定時間熱を通すのでどちらを購入するかあまり気にすることはないと考えている。それよりも新鮮さのほうが大切であろう。ちなみに中国産の肝なら、旬の時季には百グラム100円以下でも手に入ることもある。筆者はパックに盛られたタイムサービスの安価品を毎回買い占めている。

さて、あんぎもポン酢にするために、巷の他の記事にも紹介されているようにまず取り出した肝を簡単に水洗。その後切って、臭い消しも兼ねて料理酒を適量混ぜた塩水に浸ける。この場合の注意点は極力小さな塊に切り分けていく。極力小さいと言っても一塊が十円玉程度の大きさが妥当であろう。それ以上小さくすると肝が壊れてしまって巻く際に困ることがある。

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また、切った断面が極力大きくなるよう、斜めに包丁を入れ、切り分けていく。これは後の工程でそれぞれの塊が熱で成型した際、できるだけうまくくっつくようにする為である。コツのひとつである。

塩水に浸け簡単に洗った後は水気を払い、アルミホイルで棒状に包む。他記事の紹介のように巻簾を使うと便利であるが、巻簾に付く魚臭さが気になる方はそのまま手巻きしても問題はない。後に冷凍保存をする為、少し長い期間の冷凍を考えている場合はサランラップをアルミホイルの外側に置き、同時に巻いていくと効率的である。もっとも完成後、冷凍保存の直前に巻いても問題ない。

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包む際のコツは、巻簾で棒状に巻いた後、片方の端を括り、その方を下にしてトントンと中身を詰める。棒状のアルミ箔の筒の中身をぎっしりと詰める為である。そうすることにより、出来上がりは身が詰まり、固まり同士が癒着しやすい。蒸し器や鍋に並べられる長さにする為にも必要な工程である。

さて、次は蒸し器で20~30分蒸す。蒸し器がなければ大鍋の中に湯を入れ、湯から頭が出る程度の器を置き、その上に割り箸などを並べて直前に巻いたアルミホイル巻のあんきもを並べる。蒸している間にまな板や包丁等の洗浄や片づけをすればいい。

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蒸している最中にアルミホイルの隙間からいくらかの肝の水分が染み出てくるので時々巻いたまま裏返してやったほうが経験上うまく仕上がるようである。

さて、蒸し終わったらそのまま室温に冷めるまで放置。冷めれば次は冷凍庫に入れる。この時点ではまだまだ柔らかいので、巻く際にアルミホイルを巻き寿司のように一重巻きにするのではなく、二三重に巻いておくと持ち上げやすい。これもコツのひとつである。

ここまで、捌く、切る、浸ける、水分を切る、巻く、沸かす、並べる、冷ます、冷凍庫に入れ氷温に冷やす。これで結構時間がかかる。料理情報にはそのあたりの時間の感覚をシビアーには掲載していない記事が多く、この時間観念だけは予め把握しておき作らないと他の用事のある方は途中で止めることもできず、困ることになる。

冷凍庫で完全に冷めれば取り出し、好みの厚さに小口切りし器に盛る。そして味付け。

一番簡単な方法はポン酢と七味をふりかけて食す。大根おろしの辛い物を混ぜてもいい。葱が好きならそれも小口切りにし混ぜる。少し厚めの葱の方が、また白い部分の多い方が美味いかも知れない。

口に広がる濃厚な香りとポン酢の爽やかさは、好きな方にとっては至上の味であろう。今の時季に作り置きしたい食材である。

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