●甲州の名所●巨木『矢立の杉』

『矢立の杉』・東京から国道20号線(甲州街道)を西進、大月市から新笹子トンネルに入る手前の大きな右カーブの途中で、左手の県道日影笹子線に入る。この道は旧の国道20号線だが新笹子トンネルが出来た事により今では県道となっている。暫く峠に向け曲がりくねった道を走りながら登っていくと案内表示板があるので迷う事はない。下車し、2、3分静寂な杉木立を徒歩で下っていくと、単体、群を抜く巨木『矢立の杉』が目に入る。撮影時は積雪こそ無かったが、冬場の訪問は凍結等で危険な事もある。

CA390037

樹高24m、樹齢1,000年と言われるこの巨木は、1,000年というには心なしか細く感じるがそれは人里ではなく大自然の中で眺めるせいであろう。少し離れた位置から眺め、周囲に林立する他の杉と比較するとその樹齢に納得できるはずである。

CA390045

幹の内部は空洞になっており、中に入り霊気にあやかろうとする人たちが多くいたが、最近は樹勢衰退を危惧しその中に入る事が出来ないようになっている。また、昭和の初期、心無い個人の洞内での焚き火の為、内部は炭化している。下を流れる川に向かって傾斜地に聳生しているので、その周囲の色々な角度から眺めると表情も多岐で、他の地方の大杉と同じくこの樹にも畏怖の念を覚える。

CA390040

CA390035

古来、武士達が戦に出陣の折、武運長久を祈願しこの樹に向かって矢を射たと言われたのが『矢立の杉』の命名由緒という。また江戸時代には葛飾北斎や歌川広重等の浮世絵にも描かれており、古来より有名な樹であったという事は否めない。

CA390047

CA390039

近年では、杉良太郎がその名にちなみ、『矢立の杉』という歌を謳うが、それと共に杉の傍に地蔵菩薩を建立し寄贈されたようだ。現在ではハイキングコースにもなっているので、健脚な方は是非訪問されてはいかがかと思う。また、ここに至る県道の雑木林の姿も一見の価値があると考える。

CA390051

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク