●南信州の名所●巨木『月瀬の大杉』

『月瀬の大杉』(国指定天然記念物)

中央道飯田山本インターを出て三遠南信道に入り、終点の天竜峡インターから国道153号線を一路南下、40~50分走るとあと少しで愛知県に入るというその少し手前の左側にこの巨木はある。

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長野県下伊那郡根羽村月瀬地区の静寂な小集落にあるこの巨木は樹齢1,800年といわれている。長野県最大の巨木である。樹高40m、幹回りは14mともいわれるその巨木は、車を運転して走っていると国道からは見つけにくいが、ここ数年の間に整備された観光客用の駐車場や以前からある案内板で容易に辿り着く事ができる。国内の名だたる『巨木』の範に漏れず、村の神としても村民から崇め奉られており、その威容に畏怖の念を抱かずには居られない。歯の痛みの治癒に霊験あらたかと聞く。

樹前に立てられた高札には「大事変が起きるときは前兆として大枝が折れると語り継がれている。」との説明があるが、大事変とは現在で言う戦争の事であり、日清日露の戦役やシベリア出兵、満州事変、そして大東亜戦役の直前にもそのような事があったと古老から聞いた。正に神木である。

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また過去に二度、伐採の危機に扮した事があるということなども記されているが、「百聞は一見にしかず」、巨木訪問マニアの方でなくとも、数奇なその歴史に想いを馳せながら一度はその直下で観られる事を奨める。

周囲には肩を並べるような大木は無く、千数百年という長い時を生き、人間界を見下ろしてきた巨木には大きな崇敬の念を抱く事間違いないと考える。

紹介するに当たり、周囲には公衆便所等も整備されており、村民のご苦労の甲斐もあって、綺麗に周囲の草刈りや整備もされていてゴミひとつ落ちていない美しく静かな環境が保たれているので、そのあたりに十分配慮した拝観を努められたい。

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