2018年4月頃、この巨木の紹介をした。
故有って、この4月にも再訪した。
来る度荘厳で、かつ畏怖の念すら起こさせる人里に存する巨木である。
長野県最南端、根羽村月瀬の民の信仰の対象。国の天然記念物。長野県最大の巨木である。
三年後の今回、ついにこの巨木の周りには観光施設が整備されていた。
この巨木のある集落に入るまでの国道沿いに、駐車場が整備されたのは数年前。今回はその駐車場も一つ増え、大型観光バス用の駐車場として、トイレ完備の状態になっている。そして、そこからは真新しいつり橋も架けられ、ここぞとばかりに観光客誘致の姿勢が伺える。
村民にすれば、それが最良の判断かも知れない。しかし、1800年もの間ひっそりと、そしてじっくりと育ってきた信仰の対象の巨木はそんなことを望んでいないと叫んでいるようである。その証拠に、掘られた水路を跨ぐように大きな値が悲鳴を上げているようにも見える。
この先何十年、何百年と再び齢を重ねていってほしいと思う筆者にとっては、哀れにさえ見える。
この大杉の、今後ますますの健康と無難を祈る。