どの業界にもそれぞれの符牒がある。
符牒というものは、門外漢にはさっぱり分からない。
魚市場、青果市場、米市場、そして衣料業界、医療業界、軍隊にも・・・、どの世界にもある。
関東地方にて時折出入りする、鑑札を持った骨董業者のみが参加できる古物市場にもこの業界の符牒がある。
関東にはたまにしか行かないので、全く覚えられずにいるが、やはり時間との勝負の競り落としの際どい入札時は、頭に入れなくては話にならない。
少なくとも関西で参加する古物市場にはこのような物はない。聞いたことがない。
市場によっては親切なところもあり、符牒を書いて壁に貼ってある。これでは符牒の意味が無いと思うのだが・・・。
覚えようと何度も試みたが、老化の始まった頭では半分諦め、よく使う金額帯の符牒だけ覚えることにしている。
それもそのはず、脈絡のない金額対応の言葉である。百貫、四百貫、五百貫の対応金額を見て頂ければご理解いただけるだろう。
門外漢には分からないようにとの考えから来た常連者共通の隠語なのであろう。仕方ない。
次回上京時にはマスターしようといつも考えるが多分このまま習得できずに人生を終えるのであろう。