10月15日(土)~11月3日(木)まで、「川崎重工業創立120周年記念展―世界最速にかけた誇り高き情熱―」と題し、旧日本陸軍の三式戦闘機のレストア機体が一般公開されている。
会場は、兵庫県神戸市の「神戸ポートターミナル・大ホール」。ボートライナーの駅ビルという便利な会場である。川崎重工業株式会社主催の記念事業なので入場は無料である。
三式戦闘機とは、陸軍の制式番号「キ-61」である通称『飛燕』である。
戦前の陸海軍を通じて数少ない、液冷型エンジン搭載の日本軍機にしては非常にスマートなフォルムの機体である。
装備や開発のコンセプト、そして開発途中の裏話については専門の記事に任せるとして、今回は本日11月3日が記念展最終日になるので、その会場の様子などを紹介したい。
開幕後人気が高く、朝10:00からの入場に9:00頃から既に入場者が並び始めるといった日もあり、先日29日には千葉県からの友人も開館前から並び入場したという。
庵主は最終日前日の2日(水)の午後、15:00位の時間帯に訪問した。既に会場には50名以上の入場者がいたが、狭くも広くもなく、この種の展示会には丁度といった感じの来場者数であった。3日の最終日は、最終日ということで如何様になるかはわからないが、朝夕を除けば入場制限もかからないかもしれない。
会場の中心には『飛燕』の実機が。そしてその脇にKAWASAKIのモーターサイクルや『飛燕』の心臓部であるエンジンや過給機などの主要部品の複製品などが展示されており、座乗体験のため復元されたコクピットなどもある。周囲からも前面上部からも写真撮影ができ、ファン必見の展示であろう。さらに、機体や過給機のレストア作業の展示もある。全体的に簡素ながら充実した内容だと感じた。
さて、本機は国内で現存する『飛燕』の機体としては唯一の物であり、それにもかかわらず失われた部品も多く、海外に残る機体の調査や文献に基づく再現によりかなり忠実にレストアされている。
昨年夏までは、鹿児島県の「知覧特攻平和会館」に展示されていた。その頃のまだら迷彩も塗り替えられ、『飛燕Ⅱ型』としてほぼ当時の姿を再現しているということである。
神戸は割りと交通の便のいい都市である。景色もいい。本会場も、三宮の中心街から徒歩でもポートライナー(モノレール)でも行ける。是非残された最終日に、「近代化産業遺産群」の一つである航空遺産たる『飛燕』の実機を観覧されることをお薦めする。