『田舎暮らし・衛生害虫(蛆)・昨夜の出来事』

世の中に普通に暮らしていると、どこの地域にでも大抵の事は共通するものだが、山間部で住んでいると都市で住むのとは違い、思いもよらぬことがある。昨日深夜の事で想い出すのもおぞましい。読んで気持ちよくなる人は居ないと思うが、正確に田舎暮らしの現状を伝える為これも敢えて記事にすることをご容赦いただきたい。

久々に徹夜で、溜まっていた仕事を終え、木造二階建築80年以上という元古農家二階の寝室に倒れこむように急いだ。一昨日の夜となんら変わりはない筈だが、予感というのは不思議なもので何か気になり、明るくなりつつある空の光で、これから身体を横たえようとしている布団に、まぶたをこすりながら目をやった。

ん?布団の横に何か蠢いている・・。気のせいか、外光の助けか、微妙に小さな虫が居るようだ。0.1~0.2ミリ位の点が動いている。ダニか?でもこのような小さな虫はどこにでも居るだろう。毎夜寝ていても別段どこも痒くないし・・・。と、思った次の瞬間、そこから5センチほど離れた位置に何か居るではないか・・。米粒のようだが米粒より小さく、そして少し黒ずんだ肌色で、今はじっとしているがハエの幼虫のような姿をしている。カツオブシムシの幼虫にしたら大きい。と考えている間にそいつはまた動き出した。目を近づけてよく観察するとどうもやはり蛆のようだ。何で布団の横のこんな場所に居るのだ!いまいましい奴め!!と思ってティッシュペーパーで抓み、窓を開けて外に捨てた。潰すのが嫌だったのでそのまま捨てたが、捨てた所は1階の屋根の上で、その先から落ちた所は裏庭であるから、そこで成長し、将来ハエになったとしても、こちらは殺生せずに済むので一匹くらい良いかと安易に考えていた。

しかし、ところがである。元の位置に戻って、確認の為周囲を良く見ると、同様のやつが二匹居る。うえっ!!という感じである。ましてやうち一匹は釣えさ屋で売っている渓流釣りの餌の様に大きい。いやいやこれはまだこの部屋には他にも居るぞ!と頭真っ白、危機感いっぱいのそして恐怖感も伴う不測の事態に・・・。果たして、布団の周囲、シーツの上、布団の下、掛け布団の下、挙句の果て枕カバーの中にまで数匹づつ居た。周囲の畳の上にも居るには居るが、みなゾンビのようにゆっくりくねくねと布団の方に同じ方向目指して進んでいる。布団の上の奴はシーツや縫い目にもぐりこもうとしている。敷き布団の下には鼠の糞のような、おそらく蛹まである。一体何があったのか?昨日まで気が付かず寝ていたのかと思うと痒くないはずの全身が痒くなる。ああ気持ち悪い!!

電燈を点け、訳もなく窓を開け放ち、先程のティッシュペーパーで片っ端から抓み、脇にあった空のティッシュペーパーボックスに入れる。その都度小さな音で、コトッとか、ボツッ、という音を確認しながらかなり明るくなるまで何度も何度も布団を上げ、そして敷き、そんな事を繰り返しながら一つ一つ退治していった。もう居なくなったと思っても、どこからかまた出てくる。なにせ、小さな奴は長さ3ミリにも満たず、じっとしていると見落とす。巨大なものは掴むのに勇気が居る。くたくたに疲れた自身の精神と思考回路が悲鳴を上げている。

1時間ばかりたっただろうか・・・。これで完璧と、いやいやながらではあるがその布団に寝た。勿論掛け布団は被らず、開ける必要もないが窓は開けたままで・・。掛け布団の中で蛆虫と同居するなど、解っていれば絶対に避けたい。長袖を着ていてもやはりこの時期は涼しい。寝付きかけると寒い。そして目が覚める。その都度覚醒し、気になるので身体の周囲に目をやる。そんな事を数度繰り返した。ところが、夢か現か、そんな都度再び二三匹づつ居るのである。窓から入る外気の冷たさを感じるのか、奴らはみな同じ方向に歩いて、寝ているこちらの頭の方に向かって移動している。そんな事を繰り返し睡眠を諦め起床するまでにおそらく100匹は仕留めただろう。えらいことになってしまった。

起床後、すぐに全ての布団のシーツを外し、枕カバーと共に洗濯機に。洗濯は3回づつ。今夜はこの部屋で寝るのは嫌だ。ガレージに駐車している車の荷台で寝るとしよう。このブログを書き終えたときがその時だ。今夜は安眠できると思う。家があるのに車で寝るのも何だが、地震や山火事で被災した時の訓練だと思えば良い。家の敷地内なのだから良しとしよう。

さて、思い当たる原因は?そう、これしかない。毎年の事だが、一月半くらい前からこの時期は野鳥(ヒヨドリ)の奴らが屋根裏といわず、壁の隙間といわず、ひどい時には屋根裏から入って天井裏にまで子育ての為、巣を造る。二三十羽以上が、古い造りの屋根の下の隙間からあちこちに入って子育てするものだから、雛がかえった頃には煩くてしようがない。泣き声だけならまだしも、雛の成長にしたがい、歩行訓練までする。天井の継ぎ目には隙間が開くし、家屋の奥のほうに進んでしまった迷子の雛などは部屋と部屋の間の壁の隙間にはまり込んだりする。そうなると万事休すである。そんなせまい隙間では飛べない雛にとっては文字通り奈落の底であろうし、親鳥だって垂直には飛び上がれないだろう。また、天井裏には家神である天敵の大蛇も居るであろうし、悪魔のようなハクビシンも最近は歩き回っている。まだ飛ぶ事すら出来ない雛達は、家の壁の隙間の底や天井裏で生涯を終える奴も居るだろう。そうなれば、しまいには腐敗するか蛆虫の恰好の餌になることは想像に難くない。そういえば、ここ1週間ほどあのうるさい雛特有の鳴き声は聞かれなくなった。巣立った雛と育てた親は死んでしまった雛達を決して連れて行かない。そうして、天井裏や屋根裏に得た雛の死骸にたかる蛆たちが、どこかの隙間から少しづつ時間を掛けて、我が寝室に攻めてきているのであろう。

原因が判れば対処のしようもある。家を解体して居ないので壁の隙間や天井裏は覗けないが、そうだとでも決め付けないと心理的にどうしようもない。蛆と一緒に寝たというと鳥肌ものだが、戦時中の兵隊さんの事を思えばまだマシだ。昨夜はそう考えつつ何度か軽い睡眠を味わったが、夢の中でプチプチと摘み食いする夢まで見た。その記憶では満更食えないものではないと悟った。

こんな事を言っているが、でも今夜はやはり意を決して車で寝よう。暫く続くかもしれないが・・・。

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