『絵銭・馬』中国絵銭・駒引銭等

コインマニアの中では、一概にマニアといってもその専門ジャンルは様々である。近代銭、現行貨幣、古文銭、中国古銭、渡来銭、寛永通宝、金貨銀貨、外国銭、未発行銭、代用通貨、その他、種類を数えるだけでもまだまだ続く。また、その収集命題についてもエラー銭や手変わり銭、戦時通貨、人物や動物に限ったコイン主体、そして絵銭のみといった、それぞれの方法で収集を楽しんでいる人が多く、千差万別である。

絵銭とはそもそも「通貨」ではなく、その目的により呪いに使われるもの、お守り代わりのもの、上棟式等に集まった人々に撒き福を分け与えるもの、そして、巾着や根付のように実用に使われるもの等いろいろあり、最近ではこの時代を風刺したパロディーチックなものも見かける。冶金が施された物は許せるとしても樹脂やプラスチック製の物をその範疇に入れるかどうかの議論は別にして、古今東西かなりの目的や用途で膨大な種類の絵銭が作られてきた筈である。台湾などの古刹においてはお守りとして大きな物も作られ販売されている。これは日常の中で身近な道具や守護符として、東洋に大きく特筆される文化であろう。そしてその大抵は「円形方孔銭」の形態、若しくはそれに近い形態を成している。

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前述のように絵銭収集は種類が多すぎるので、今回は最近中国で手に入れた時代不詳の絵銭、それも馬に関係しているだろうものをいくつか紹介してみよう。

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中世以来、旅や移動は現在のように自動車等がなかったので、基本的に徒歩での行脚である。その道中の安全と安寧を祈る絵柄のものや、米の豊作を祈願した絵柄のものが江戸時代以降の日本絵銭には多いが、明らかに中国絵銭は雰囲気が違う。戦いの勝利や競馬のように速さを競うもの、そして故事にちなんだ呪文銭が多いと気がつく。お国柄の違いか。

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現在の、金属板をプレスした打製のコインとは違い、全て鋳造貨幣であるようなのでその手作り感の暖かさを感じられ、一枚一枚同じデザインでも個性があり、絵銭マニアの心境が想像できる。

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十二支の一動物を対象にして作られた絵銭もあるようだが、その中でも日本人には馬(駒)や牛のデザインが好まれる。「駒引銭」や「善光寺銭」がその代表であろう。

投機の対象として貨幣収集がブームとなっていた頃はそれが絶対であったかもしれないが、楽しく気軽に無理なく楽しもうと思えば、絵銭収集には色々な楽しみ方があるようだ。

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